2008年アメリカ合衆国大統領選挙3
2008年に入ると、それまでの予備選挙の流れが一変します。
まず、共和党においては、それまで支持率のトップにいたジュリアーニ氏が奇策に出ます。
本来重視すべきアイオワ州、ニューハンプシャー州といった、序盤に選挙が行なわれる州、そして最初の南部決戦の地として誰もが力を注ぐサウスカロライナ州において、彼は勝利を完全に捨てて、中盤以降のフロリダ州やスーパーチューズデーに集中させるという、中々見られない策に打って出たのです。
しかしこれは、完全に失敗に終わります。
当初は彼が序盤州に現れない事が話題となりましたが、徐々に熱が冷め、流動票が別の支持者に流れていきました。
ジュリアーニ氏は健康面でも不安を抱えており、2007年12月にも入院するなど、その点でも不安視される傾向が強くなっていきました。
もしかしたら、この戦略も健康面を考慮し、序盤に無理をさせないという意図があったのかもしれません。
しかし、やはり何事も最初が肝心です。
結果的にジュリアーニ氏は急激に支持を落とし、立候補者争いから脱落しました。
その流動票を大きく集めたのが、マケイン氏です。
夏ごろには脱落とすら言われていたマケイン氏でしたが、軍事面での戦略である米軍像派が徐々に成果を上げ始め、支持率が回復していくと、徐々に大物が彼の支持に回り、ジュリアーニ氏の戦略ミスもあって、一気にトップの座に駆け上がりました。
そして、ロムニー氏との争いを制し、マケイン氏が共和党指名を事実上決定付けました。
ただ、共和党の予備選挙は、オバマ氏とヒラリーさんが壮絶に争った民主党と比較すると、注目度は決して高くはありませんでした。
オバマ氏やヒラリーさんのような、話題性に飛んだ立候補者がいなかった為です。
オバマ氏のような、民衆を惹きつける演説を行なう人もいませんでした。